看護師・江刺家 潤哉

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ナスナスが集めた“ナースの声” - ナースインタビュー -
ナースインタビュー

看護学生・看護師のための病院情報は「nas nus-ナスナス-」
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プロフィール -江刺家 潤哉-
精神科急性期治療を中心に行う大内病院にて看護副部長を務める。日本アディクション看護学会や日本アルコール看護研究会に属し、様々な講演活動や学会誌への執筆などを精力的に行うなど、精神看護での学びを発信し続けている。

看護師・江刺家潤哉

ナースインタビューVol.8~江刺家潤哉~


「1日でも早く自立してもらうためのサポートを」


江刺家さんが看護師の道を選んだ理由は何ですか?


実は特に大きな理由はないんです。当時叔父が病院の事務長をしていて、その叔父が看護師になったらどうだと勧めてくれたのがきっかけですね。今と比べると看護師という仕事はそんなに注目されておらず、当然男性看護師の数も今よりかなり少なかったのを覚えています。最近は男性もかなり増えてきているようですが。

看護師になったということは、昔から世話を焼くのが好きだったんでしょうか?


いえ、そんなに世話は焼きません(笑)。私たち看護師の仕事は、ただ何でもかんでも世話を焼くことではありません。特に精神科においては、患者さんに1日でも長く良い状態を保ってもらうため、また、1日でも早く自立してもらうためのサポートをすることが看護師の役目だと思っていますから。


「現代社会でストレスを抱えている人が多い」


精神科のお仕事の中で、やりがいを感じるのはどんな時ですか?


看護師・江刺家潤哉今まで救急、内科、外科、その他様々な科を経験してきました。その中で私は、特に精神科に面白さややりがいを感じているのかもしれません。精神の疾患って、一般科の病気と少し違って、治ったか治っていないかはっきりと分かりづらいんですよ。「退院」が回復の第一歩ではあるけれど、再発する可能性だってあります。退院するまで何年もかかる場合もありますが、患者さんとの関わりの中で、回復してゆく姿を見ると「ああ、良かった」と思います。「ありがとう」という言葉が欲しいのではなくて、患者さんの自立へのお手伝いが少しでもできたんだ、と自分の中で実感できれば嬉しくなりますね。

最近、精神的に病む人が増えているように思うのですが・・・


現代社会でストレスを抱えている人が多いように感じますね。特に人間関係を上手に作れない人たちは、職場や家庭など日々取り巻く環境の中で生きづらく感じて、それがストレスとなってだんだん精神を蝕んでいきます。脳内バランスが崩れ、ひどい場合は犯罪につながったり、自ら死に向かっていく人もいます。そのような人たちが壁にぶち当たらないように、進む角度を少しだけでも変えてあげられるような一声や適切なアドバイスをすることが、私たち看護師の務めでもあると思います。


「患者さんの人生そのものを看る必要がある」


精神看護に従事するうえで大切なことは何ですか?


看護師・江刺家潤哉精神科では、病気や疾患の部分だけではなくその患者さんの人生そのものを看る必要があります。なので、やはり看護する側にも様々な人生経験がないとなかなか難しい部分がありますが、若い人だって自分の人生の中で感じたことを伝えていけばいいと思うんですよ。大切なのは常に勉強し、自分の引き出しを多く持つこと。治療法や援助の仕方も日々変わってきていますからね。私たちは、古いものを大切にしながらも新しいものをどんどん取り入れ、患者さんをよりサポートできる体制を作るよう努めています。

一般的な病気と精神疾患とでは、看護の方法も違ってくるんですね?


一般科では体の病気として捉えますが、精神科では体の部分だけではなく、知的な部分や脳の病状としても看なければなりません。うつ病やアディクション、軽度発達障害など色々ありますが・・・。けれどもそのような脳の症状が顕著に表れてきているのは、やはり彼らを取り巻いている家庭環境や現代社会に生きづらさを強く感じるようになっている、ということが事実なんですよね。このことはよくテーマにして私も患者さんやスタッフに話したりします。患者さんだけではなく、私もスタッフも、何かしら理想と現実の狭間でストレスを抱えていたりしますから。


ではご自身ではどのようにストレス解消されるのですか?


色々ありますが、ここ数年心がけているのは自分を振り返ることです。自分はどんな人間で、どんな環境で育ってきて、どんな時に怒ったり緊張したり苦しんだりして、なんでいつもここが上手くいかないのか、など。人間には必ず行動パターンがあって、その同じパターンの中でいくらもがいても、同じことの繰り返しなんですよね。だからそのパターンを少しでも自覚するために、自分を冷静に振り返る作業は大切だと思うんです。また、自分自身を知ることで患者さんとの関係を築けやすくなったりもするんですよ。人生をかけて病気と一生懸命闘っている患者さんと“表面的な自分”では向き合えないですからね。自分たちが体を使って教えてあげる、それが精神医療なんだと思います。


「看護を通じて得るものとは」


江刺家看護副部長にとって「看護」とは?


看護師・江刺家潤哉看護師って、一般的なサラリーマンやOLに比べて高給だと思います。もちろんそれを対価として働くわけですが、私は看護の仕事はお金以上に得られるものがとてもたくさんあると思っています。それはスキルであったり人間関係であったり個々それぞれですが・・・。看護を通じて、色んな発想が生まれ、それが自分自身をも変えていけるような力にもなるんです。また患者さんだけではなく、自分だって一人では生きていけないんだなと実感もしますね。だから自然と周りの人々、家族や仲間に対して、感謝しながら生きていけるんですよ。最近は精神医療の講演をしたりしていますが、これも自分磨きのため。自らが広告塔となって、一人でも多くの看護師さんや学生さんに精神看護の素晴らしさを見出してもらいたいですね。



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